連帯ユニオン 愛知での闘い 小西生コン事件

 

 この事件に関しては、下方の小西生コン事件 裁判及び労働委員会闘争とは を参照して下さい。


  2023.10.11 

   小西生コン事件不当労働行為行政訴訟上告棄却、1審判決確定

 

 2023年10月11日付で小西生コン事件不当労働行為行政訴訟の上告を棄却するとの通知が最高裁からありました。これで1審判決が確定しました。

 高裁判決の理由の不備のみを理由とした上告でしたが、最高裁は「単なる事実誤認・法令違反の主張だ」ということを棄却理由とする出鱈目なものでした。憲法のみを争った裁判の上告でも同様の理由で上告を棄却しており、「棄却理由」は、最高裁の上告棄却のフォーマットに過ぎないと判断されます。その点を担当書記官に強く抗議、担当裁判官に伝えるように言い渡しておきました。

 

 それはともかく、1審判決は関生弾圧を理由とした労働協約の破棄や昇給差別等について愛労委棄却命令を取り消し、不当労働行為と認めました。

 組合はさらに、組合員の定年後再雇用の拒否やUAゼンセン・小西生コン労組の組合費2000円を会社が肩代わりしている問題を、証拠を挙げて不当労働行為として追及を続けてきました。

 

 この過程で、多くの「関生弾圧を許さない東海の会」の皆さんが傍聴等の支援に来てくださいました。そしてそれを契機に地域で愛知県労働委員会への申立を、所属組織を超えて取り組み、県労委の問題を追及する陣形が形成されていきました。このような共闘関係の発展こそ、小西生コン事件の取り組みの最も重要な成果です。 


2023.4.17 小西生コン事件 上告しました

 

 高裁判決は連帯ユニオンと愛知県労働委員会の双方の控訴を棄却し、一審判決を維持するものとなりました。憲法判断につき、不服があるので、上告しました。

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2023.4.13 小西生コン事件 愛知県労働委員会命令棄却部分取消訴訟

                                    控訴審判決 = 双方棄却

 

この日の高裁判決は連帯ユニオンと愛知県労働委員会の双方の控訴を棄却、一審判決を維持するものとなりました。

 

愛労委が認めなかった昇給差別と共に、弾圧を理由に関生支部との労働協約を破棄したことを不当労働行為と認定した一審判決が維持されたことは一定の意義がありますが、この日の高裁判決は、主文の誤字訂正に加え、一審判決の「本件(愛労委)命令は正当である」を全て「本件命令に違法はない」に書き換える等、8ページに渡って一審判決の補正を行いながら、高裁独自の判断がほとんどないという残念なものでした。

小西生コン社長は証人尋問で連帯ユニオン組合員を雇止めした理由に「連帯ユニオンが反社会団体だから」と明言していましたが、この点は、愛労委・名古屋地裁・高裁と、一切判断しませんでした。

また、連帯ユニオンが最初の組織化を実現した後、UAゼンセンに属する社内組合を結成し、その時に会社が社内組合の組合費を肩代わりしたことは社内組合の役員をから連帯ユニオンに継続的な情報提供があって解っていましたが、証人に立てる訳にもいかないので、団体交渉で社長にカマをかけて、給与明細の支給とチェックオフの両方の欄にある「管理」という項目が組合費であることを供述させました。命令・二つの判決ともこの点もお茶を濁して不当労働行為と認定しませんでした。

以上のような結果ですが、長期の闘いで以下のように小西生コンの多くの不当労働行為の認定を勝ち取っています。

 

2020年11月24日

愛知県労働委員会の発した命令は、2018年8月29日小西生コンが関西生コン支部の武建一委員長らの逮捕を報じた新聞記事を瀬戸工場に張り出したことを組合への支配介入=不当労働行為と認定、また、愛知県労働委員会は、「いうまでもなく労働組合は個々の労働者が参画して組織される団体であるところ、役員の逮捕によって直ちにその労働組合がその労働組合の資格を喪失するといえない」とその基本的な認識を示し、一連の昇給・賞与にかかる団体交渉を不誠実交渉として救済を命じた。

 

2021年5月21日

愛知県労働委員会は、小西生コンが、2020年4月29日に愛知連帯ユニオンが申し込んだ組合員の雇止めに関する団体交渉を、「コロナ緊急事態」を口実に拒否した事件について、これを不当労働行為と認定、団交の履行とポストノーティスを命令した。

2022年3月2日、中央労働委員会はこの命令を支持した。

 

2022年10月19日

名古屋地裁判決では愛労委が認めなかった昇給差別と共に、2018年9月22日に、弾圧を理由に関生支部との労働協約を破棄したことを不当労働行為と認定した。判決は、「本件通告文書(乙105)が送付された同年9月22日時点において、逮捕に係る被疑事実についての有罪が確定していたこと等は証拠上明らかでない上、複数の幹部が逮捕された事実によっても、そのことのみから、組合員によって組織される団休たる労働組合自体が反社会的勢力であると評価するに足りる事情があるということはできない。」とした。

 

 「東海の会」の皆さん、ご支援ありがとうございました。

 


小西生コン事件 愛知県労働委員会命令棄却部分取消訴訟 控訴審 結審

 

 小西生コン事件控訴審第1回口頭弁論は、2月21日に行われ、結審しました。

 愛知連帯ユニオンはこの日の期日まで控訴理由書、答弁書、前日に提出された相手書面への反論と2件の書証を提出して臨み、東海の会からは、7人の傍聴がありました。

 

 1審判決は関生弾圧を理由とした労働協約の破棄や昇給差別等について愛労委棄却命令を取り消しましたが、組合はさらに、組合員の定年後再雇用の拒否やUAゼンセン・小西生コン労組の組合費2000円を会社が肩代わりしている問題を控訴審で追及しています。

 

   判決は 4月13日(木)、13:15~ 名古屋高裁1001号法廷 


小西生コン事件 愛知県労働委員会命令棄却部分取消訴訟 1審一部勝訴⇒控訴審

 

  小西生コン事件、愛労委命令棄却部分取消訴訟は、2022年10月19日に1審の判決があり、一部勝訴を勝ち取りました。勝訴ながらも不十分な点があり、控訴しました。(一審被告側も控訴しました)。

 

   控訴審第1回口頭弁論は 2月21日(火)、10:30~ 名古屋高裁1001号法廷 


2022年10月19日 小西生コン事件 愛知県労働委員会命令棄却部分取消訴訟 一部勝訴

 

 10月19日13:10、名古屋地裁1103法廷で、小西生コン事件 愛労委命令棄却部分取消訴訟の判決があり、一部勝訴を勝ち取りました。

 

 判決では愛労委が認めなかった昇給差別と共に、2018年9月22日に、弾圧を理由に関生支部との労働協約を破棄したことを不当労働行為と認定しています。判決は、「本件通告文書(乙105)が送付された同年9月22日時点において、逮捕に係る被疑事実についての有罪が確定していたこと等は証拠上明らかでない上、複数の幹部が逮捕された事実によっても、そのことのみから、組合員によって組織される団休たる労働組合自体が反社会的勢力であると評価するに足りる事情があるということはできない。」としています。

 大阪府労委では多くの勝利命令が勝ち取られていますが、地裁レベルでは先駆けた判決です。

 


2022年7月13日 小西生コン事件 愛知県労働委員会命令棄却部分 取消訴訟が結審

 

 裁判はこの日で結審になりました。「~東海の会」や地域の労組から8名の傍聴がありました。

 

 小西生コン事件では、組合員の定年後再雇用を約束した労働協約を、会社が弾圧を理由に、組合を「反社会集団」として約束を破棄するということが起きました。愛知県労働委員会は労働協約が就業規則に優先するという労働法を無視、裁判では、「関西生コン支部が労働組合かどうか解らなかった」等と主張しました。他方、会社の方は以前の主張を取り下げ、この協定が労働協約であることを認めました。

 

 また、裁判では、4月に組合員に定期昇給がなく、それで組合を脱退した元組合員には6月に定期昇給を行っていたことが裁判で会社の認めるところとなりました。これが不当労働行為でなくてなんでしょうか。

 

 他にも愛労委が、労使に争いのない事実について別の事実認定をする、実際に行われた一連の団体交渉は実質的な団交拒否と認定しながら、その間、日にちを間違えたとして履行しなかった団交については団交拒否ではないとする等、全く出鱈目な判断をしていることを暴きました。

 

 この訴訟は、関生弾圧に付随する不当労働行為を争う裁判であると同時に、団体の垣根を越えて、地域の労組が愛知県労働委員会の問題点を考える重要な契機になりました。

 

 裁判所には多くを期待しませんが、判決は10月19日、13:10名古屋地裁1103号法廷 です。 


2022年6月6日 小西生コン不当労働行為 愛知県労働委員会命令棄却部分 取消訴訟

第9回口頭弁論 

 

 この日の裁判には「~東海の会」、愛知連帯ユニオン等から10名の傍聴がありました。

 

 原告は、愛労委が、小西生コン勤務の連帯ユニオン組合員の定年後再雇用を約束した労働協約について、「定年制の変更の経緯の疎明がない」等と頓珍漢な主張をしていることを弾劾、「労働委員会の調査は裁判の口頭弁論や弁論準備手続きとは違う。不当労働行為認定に必要なことを労働委員会が主体的に行うのが調査の手続きだ」と労働委員会の法令上の制度趣旨を説明しました。

 補助参加人の小西生コンからは書面の提出や発言はありませんでした。

 

 この日は続けて、愛労連全国一般のFM愛知事件で愛労委の不当命令取消訴訟が同じ法定であり、今後、愛労委の健全化のために協力していこうと、エールを交換しました。

  

次回期日は、7月13日10時30分から1103号法廷

弁論終結が予定されています。傍聴をお願いします。


2022年4月18日 小西生コン不当労働行為 愛知県労働委員会命令棄却部分 取消訴訟

第8回口頭弁論 

 

 この日の裁判には「~東海の会」から6名の傍聴がありました。

 他方、補助参加人の小西生コンは、代理人がコロナの影響で全員欠席、出席はありませんでした。

 

 4月の人事異動で、裁判長が五十嵐章裕裁判官に交代したため、弁論の更新がありました。

 原告の連帯ユニオンから、弁論の更新に当たり、約20の争点のうち、2018年の組合員への昇給差別、UAゼンセンの小西生コン労組結成の際に会社が「管理」の名目で組合費を肩代わりしたこと、小西生コンが関西生コン支部を反社会集団だとして労働協約を破棄、組合員の定年後再雇用を拒否したことの3点の重要問題について、12個の新証拠を出して立証してきた経緯を新裁判長に説明しました。

 

 

  次回期日は、裁判所の人事異動の都合のため、少し間が空きます。

 

次回期日は、2022年6月6日(月)13時30分~ 名古屋地裁1103法廷


2022年3月2日 小西生コン事件中労委勝利命令 3月16日交付

コロナ感染拡大を理由にした団交拒否は不当労働行為、個別紛争も団交応諾は義務

 

  2020年に小西生コンがコロナ緊急事態を口実に団交を拒否したことを愛知県労働委員会は不当労働行為として団交を履行するよう命令書を出しました。

 愛労委の証人審問の中で、小西生コンが、連帯ユニオンとの団交を、コロナ緊急事態を口実に拒否した同時期に、UAゼンセンの社内組合と団交をしていたことが判明しました。

 小西生コンがこれを不服として申し立てた中労委では、小西生コンは、社内組合の集団交渉とユニオンの個別労働紛争とは別である旨を主張しました。昨今、経営側弁護士がよく行う主張です。

 しかし、中央労働委員会は、「義務的団交事項とは組合員の労働条件で使用者が処分あるいは説明可能な事項である」、「義務的団交事項については議題内容に左右されることなく、直接対面で行うのが原則である」として、小西生コンの申立を棄却、愛労委の救済命令を支持しました。

 


2022年1月17日 小西生コン不当労働行為

愛知県労働委員会命令棄却部分 取消訴訟 第7回口頭弁論

 

 この日の裁判には「~東海の会」から5名、その他数名の傍聴がありました。

 

 裁判は、関西生コン弾圧を理由に小西生コンが労働協約を破棄したことの不当労働行為性という核心部分に入っています。原告の連帯ユニオンからは、この間、弾圧を理由に連帯ユニオンからの労働者供給を打ち切った9件の事件で大阪府労委が次々救済命令を出していることを援用した主張を行いました。

これに対し、被告・愛労委からは「連帯ユニオンと小西生コンの確認書は労働協約ではない」等と労組法を踏まえない主張がなされ、他方、小西生コンの方は、既にこの「確認書は労働協約ではない」という主張を裁判上で撤回しています。裁判官からもこの矛盾を整理するように求める訴訟指揮がありました。愛労委の棄却命令部分の破綻は最早明らかです。

 

 次回期日は、裁判所の人事異動の都合のため、だいぶ時間が空くことになってしまいました。

 

 

次回期日は、2022年4月18日(月)11時~ 名古屋地裁1103法廷


2021年12月8日 小西生コン不当労働行為

棄却部分労働委員会命令取消訴訟  第6回口頭弁論

 

   この日の裁判には7名の傍聴がありました。県(労働委員会)を相手とする行政訴訟ですから、法廷が注目されることは大切です。傍聴、ありがとうございました。

 裁判では、定年後再雇用を約束した労働協約を、「組合は反社会集団だ」として破棄したことが不当労働行為であるという核心部分に入りました。

 また、愛知県労働委員会が定年後再雇用を約束した確認書を、労働組合法14条を理解せずに労働協約と認定せず、その結果、労働協約と就業規則の関係を規定した労働契約法13条に反した解釈を行ったことを問題としました。原告の連帯ユニオンから労働組合法に立脚する労働委員会の在り方として忌々しき問題であると提起しました。

 

次回期日は、2022年1月17日(月)11時~ 名古屋地裁1103法廷


2021年10月18日 小西生コン不当労働行為

愛知県労働委員会命令棄却部分 取消訴訟  第5回口頭弁論

 

 

連帯の組合員だけ定期昇給を除外

 

 10月18日、名古屋地裁で小西生コン不当労・棄却命令取消訴訟が行われました。

 裁判前に、愛知県労働委員会と小西生コンから各1通の書面、愛知連帯ユニオンからそれへの反論を含めて4通の準備書面が提出されていました。

 

 今回のハイライトは、小西生コンが提出した証拠によって、関西生コン弾圧の始まる2018年の春に、小西生コンがUAゼンセンの社内組合と連帯ユニオンからの脱退者にだけ定期昇給を行い、連帯組合員を定期昇給から除外していたことが明らかになったことです。小西生コンはこれまで昇給に違いは査定によると言明していましたが、査定とは無関係な勤続給の差別であったことが明らかになったのです。

 

 さらに、この間、UAゼンセンの組合結成時に会社が組合費を肩代わりしたことを明らかにしてきたことについて、インターネットの口コミサイトにその事実を書き込んだものがあることが解り、組合から証拠提出しました。内部の者しか知らない情報で会社を貶めるものでないことから信用性が高いものです。

 

小西生コン 大府工場の会社の評判・口コミ|転職・就職の採用企業調査はエンライトハウス (en-hyouban.com)

 

   

 次回期日では、小西生コンが暴力団排除条例を根拠に組合員の定年後再雇用を拒否した問題に迫っていきます。

 


2021年8月18日  小西生コン不当労働行為

愛知県労働委員会命令 棄却部分 取消訴訟 第4回口頭弁論

 

 8月18日、名古屋地裁で行われた小西生コン不当労棄却命令取消訴訟には、「関生弾圧を許さない東海の会」からも多数の傍聴がありました。しばらく原告の連帯ユニオンの主張・立証が続きます。

 今回は、UAゼンセンに加入する社内組合の組合費を小西生コンが肩代わりしていた問題と、2018年4月の昇給に社内組合等と連帯ユニオン組合員に差別があった問題が取り上げられました。

 会社が組合費を肩代わりすることは、労組法で禁じられている経費援助に当たり、労働組合の資格を失う要件の一つになります。ところが、愛知県労働委員会ではUAゼンセンの愛知県支部長が労働者委員をしています。また、「関生は労働組合ではない」等と主張する関西建交労は、このUAゼンセンと共同で近畿生コン関連協議会を形成しています。このような全く倒錯した現実に対して、連帯ユニオンは堂々と闘っていきます。

 

 

<中央労働委員会(第3次事件)>

 

 8月20日、中央労働委員会で、コロナ緊急事態を口実とした団交拒否を愛労委が不当労働行為と認定した小西生コン第3次事件の中労委第1回調査がありました。調査には、「関生弾圧を許さない東京の会」のメンバーが補佐人として参加してくれました。

 この事件でも、小西生コンはUAゼンセンとは双方で8人の団体交渉をしていながら、連帯ユニオンが求めた少人数での交渉を拒否したのです。

 この調査で連帯ユニオンは、小西生コンの申立書を徹底批判しました。

 次回は、10月7日11時、オンライン調査で結審予定となりました。


2021年6月28日 小西生コン不当労働行為 

愛知県労働委員会命令棄却部分 取消訴訟 第3回口頭弁論

 

 6月28日の第3回口頭弁論では、20点に渡る争点についての進め方を裁判所と組合が協議、しばらく組合側の主張・立証が続くことになりました。  

 なお、愛知県労働委員会で、当方が得た勝利命令については、小西生コンが中央労働委員会へ再審査を申し立てており、8月20日14時から第1回調査が東京で行われます。 

 


5月21日 小西生コンのコロナ緊急事態を理由とした団交拒否を不当労働行為を認定―愛知県労働委員会 勝利命令― 

小西生コンは同時期、UAゼンセンとは8名で団交を行っていた!

 

 5月21日、愛知県労働委員会は、小西生コンが、昨年4月29日に愛知連帯ユニオンが申し込んだ組合員の雇止めに関する団体交渉を、「コロナ緊急事態」を口実に拒否した事件について、これを不当労働行為と認定、団交の履行とポストノーティスを命令しました。

 小西生コンは先行する別件では、「連帯ユニオンは反社会団体だから交渉してはならない」と社長が証言していました。労働委員会命令は、不法行為の横行に歯止めをかける重大な意義があります。なお、命令があった5月21日同日、組合がコンプライアンス活動の対象にしていた小西生コン中川工場に営業許可を取らずに土砂を過積載運行するダンプに関連する交通事故が発生しています。

 

 愛知県労働委員会命令書は、「団体交渉は労使双方が同席、相対峙して交渉を行うことが原則であり、労使双方の合意や特段の事情がない限り、書面の交換では団交を実施したことにはならない」としています。その上で、「新型コロナ感染拡大の社会状況の中でも、開催時期の延期や感染対策を講じた上での団交開催は可能であった」として、小西生コンの不当労働行為を認定しています。小西生コンは同時期、UAゼンセン所属する社内組合とは8名で「団交」を行っていたことが明らかになっており、これも不当労働行為を認定する根拠のひとつになりました。  


2021年4月19日 小西生コン不当労働行為

愛知県労働委員会命令棄却部分 取消訴訟 第2回口頭弁論

 

  裁判の事前に愛知県労委から30ページに渡る準備書面が出され、原告のユニオンからは、17ページに渡る反論の準備書面を出しました。裁判には6人の傍聴がありました。

 今回は小西生コンの代理人弁護士2名が初めて補助参加しました。裁判官は、原告の問題にした小西生コンの別会社の「有限会社名東通商」の実態について、次回までに補助参加人が明らかにすることを求めました。

 会社が行った数々の不当労働行為をどこまで暴けるのか、裁判の行方が注目されます。

 


2021年2月15日 小西生コン不当労働行為  

愛知県労働委員会命令棄却部分取消訴訟 第1回口頭弁論

 

  この日、14:30から名古屋地裁1103号法廷で、命令の棄却部分の取消訴訟の第1回期日がありました。「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会」を中心に約10名の傍聴があり、裁判所や愛知県労委も、この裁判に注目が集まっていると感じたようでした。

 この日の時点で、小西生コンは訴訟への補助参加の意思を明らかにしておらず、県労委も「通常は考えられない」ともらしていました。

 実質審理は次回期日をもって始まります。

 


小西生コン不当労働行為 愛知県労働委員会命令棄却部分 取消訴訟

第1回口頭弁論へ

 

 ★2021年2月15日(月)14:30開廷   名古屋地裁1103号法廷にて

 

 小西生コンが愛知連帯ユニオンに対して行った不当労働行為について、昨年11月24日、愛知県労働委員会の発した命令は、2018年8月29日小西生コンが関西生コン支部の武建一委員長らの逮捕を報じた新聞記事を瀬戸工場に張り出したことを組合への支配介入=不当労働行為と認定、また、愛知県労働委員会は、「いうまでもなく労働組合は個々の労働者が参画して組織される団体であるところ、役員の逮捕によって直ちにその労働組合がその労働組合の資格を喪失するといえない」とその基本的な認識を示し、一連の昇給・賞与にかかる団体交渉を不誠実交渉として救済を命じました。しかしながら、この命令は組合員の昇給・賞与・定年後の再雇用といった具体的な権利救済については棄却する不当なものでした。

 

 小西生コンが、連帯ユニオン結成直後、UAゼンセンの組合を作ることを助け、あろうことか組合費まで肩代わりした事実と証拠、社長が脱退させて組合員に昇給が終わった後に異例の昇給を行った事実と証拠など、愛知県労委はことごとく無視しました。昨今の県労委の保守化を端的に示しています。

 

 県労委の命令に対しては中央労働委員会へ再審査申立を行うこともできますが、地方裁判所に命令取消の行政訴訟を行うこともできます。今回は後者を選択しました。

 組合は訴状で、命令棄却に係る約20項の論点に対して詳細に反論しています。

 

 今回は第1回期日で、愛知県労委の答弁書が提出され、今後の進め方が協議されます。 


2021年1月22日 「小西生コン」労働委員会 最後陳述 

「事実を歪め捏造する文化を拒否せよ」

 

  小西生コンに対する第3次不当労働行為申立の最後陳述がありました。パート労働者の契約終了を巡る団体交渉を、コロナ緊急事態なども口実に拒否したこと を不誠実交渉として救済を求めています。

 

尋問で社長は、「パートでなく正社員の運転手が欲しい。パートは有期雇用でしか求人していない」と証言していましたが、その日現在、小西生コンがハローワークでパート労働者を期間の定めなく求人していることを明らかにしました。組合側は、昨日のバイデン大統領の演説を引用し、労働委員会へ、「事実を歪め捏造する文化を拒否せよ」と呼びかけました。


2020年11月24日、愛知県労働委員会が小西生コンの不当労働行為を認定

 

 11月24日、愛知県労働委員会が小西生コンの一連の団体交渉を不誠実交渉と認定する救済命令を発しました。また、この命令は、2018年8月29日小西生コンが関西生コン支部の武建一委員長らの逮捕を報じた新聞記事を瀬戸工場に張り出したことを組合への支配介入=不当労働行為と認定しました。また、愛知県労働委員会は、「いうまでもなく労働組合は個々の労働者が参画して組織される団体であるところ、役員の逮捕によって直ちにその労働組合がその労働組合の資格を喪失するといえない」とその基本的な認識を示しました。

 

 この愛知県労働委員会命令は、具体的な組合員への差別を不当労働行為として認定せず、救済命令を出さなかった点から断罪されるべきものですが、そのような県労委ですら、弾圧を利用する行為を不当労働行為と認定せざるを得なかった事実は重大です。 

 

 なお、命令が救済を棄却した部分については、12月16日に名古屋地裁へその取り消しを求めた行政訴訟を提起しました。       


2020年11月20日、小西生コン 労働委員会審問 不当労働行為が明らかに

 

 11月20日、愛知県労働委員会で、小西生コン社長に対する証人尋問を行いました。本件は、5月に非正規労働者の雇止めを巡る団体交渉を、コロナ緊急事態を理由に拒否をしたことについて不当労働行為として申し立てたもので、小西生コンに対する申立としては第三弾になります。

 この審問で社長は、連帯ユニオンに対しては、コロナ緊急事態を理由に団体交渉はできないとしていたのですが、同じ時期、UAゼンセンとは会社社屋で、労使約8人でボーナス交渉を行っていたことを認めました。「コロナ緊急事態」は口実だったのです。

 他方、社長は、有期雇用労働者の雇止めの理由については、団体交渉をする必要がないと、非正規労働者軽視の発言を行っています。

 本件は、残る1回の最後陳述を経て、愛知県労働委員会の命令が出されます。


小西生コン 不当労働行為繰り返し、弾圧を理由に労働協約を破棄ー2020年9月

 

 前回の記事で、小西生コンが安全とコンプライアンスを軽視し、2016年10月21日と本年5月19日に労災による死亡事故を引き起こしたことを記しました。今回は、小西生コンが不当労働行為を繰り返し、関西生コン支部弾圧を理由に労働協約を破棄、組合員の定年後の再雇用を拒否している問題を書きます。

 

 県内に生コン5工場と砕石1工場を持ちながらアウト業者に留まる小西生コンに分会が結成されたのは2015年でした。それ以来、小西生コンは不当労働行為を繰り返してきました。組合員に金を払って退職させる、昇給や賞与を優遇することと引き換えに組合を脱退させてきました。他方で、団交の発言はいい加減、組合員には病気からの復職を認めない、業務を取り上げて炎天下に草刈りをさせる、事故弁済を賃金から違法に天引する、未払残業の支払いを拒否する、僅か年500円の昇給を組合員だけには行わない、等々です。組合はその都度、社長を説得し、不当労働行為を停止させ、あるいは訴訟で未払賃金を支払わせてきました。

 ところが、2018年8月に関西生コン支部への弾圧が始まると、小西生コンは「関生は反社会集団」などと述べて、労働者供給事業の受け入れを約束していた労働協約を破棄、2019年8月には組合員の定年後の再雇用を拒否するという不当労働行為に及びました。組合は、2018年9月から20数件の不当労働行為について労働委員会に申し立て(本年7月に審査終結)、組合加入宣伝を継続しつつ、2019年末には定年後の組合員の再雇用を求めて裁判を提起しています。裁判では労働協約の破棄が不当労働行為であること、定年後の再雇用でも就業規則の適用を受けること、従前の労働条件での再雇用が慣例慣行であったことなどを訴えています。本年5月には、新たな団交拒否に不当労働行為の申し立てを行いました。組合は不当労働行為企業を放置しません。 

 

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小西生コン事件 裁判及び労働委員会闘争とは

 

1、関西生コン弾圧との関係

 

 小西生コン株式会社と関西生コン支部は、2018年3月19日に、①労働者供給事業を受け入れる、②組合員は定年後、何らかの形で再雇用するとの労働協約を締結しました。因みに、小西生コンでは組合員以外でも通常定年後の再雇用は70歳前後まで行われています。
 ところが、関西生コン弾圧が始まり、2018年8月28日に武委員長と湯川副委員長が逮捕されたことを受けて、9月22日、小西生コンは「反社会的集団とは取引できない」と労働者供給事業の受け入れを撤回、さらに、2019年3月12日、分会長の定年後再雇用を拒否する通告を行いました。

 現在、これらを巡って、「愛労委平成30年(不)第7-1号、7-2号 不当労働行為救済事件」(証人審問終了)、及び「名古屋地裁 令和元年(ワ)第4697号 地位確認等請求事件」が係争中です。
 裁判で、小西生コンは、労働協約破棄の法的根拠として、暴力団排除条例を挙げています。

 小西生コン事件は、一連の関西生コン弾圧による刑事事件の判決をも待たずに、個別企業が、関西生コン労組に「反社会敵集団」とレッテルを貼り、労働組合と労働三権を否認する事態となっているところに重大性があります。
 因みに、この種の主張は大阪府労働委員会では、2019年徳島事件と2020年藤原生コン運送事件で不当労働行為として退けられているものです。

 

2、小西生コンという企業、不当労働行為の頻発

 

 小西生コンは、瀬戸、春日井、大府2か所、名古屋市中川区に5工場で生コンを製造・販売する企業で、瀬戸工場は生コンの材料の骨材も製造しています。協同組合に加入しないアウト業者です。
 2016年10月21日には春日井工場で、かくはん用ミキサーを洗浄していた労働者(57)が突然動きだしたミキサーに巻き込まれ、2020年5月19日には、春日井砕石工場で落石で作業中のショベルカーが下敷きになって70代の男性作業員が運転席で挟まれ、労災死亡事故が発生しています。
 賃金は同業他社に比して月5万円程度安く、大型運転手で手取りで20万円余。2015年の組合分会結成以来、約10名の組合加入がありましたが、金を渡して組合を辞めさせるなどの不当労働行為が頻発しました。

 2020年5月19日には、団交拒否で新たな不当労働行為救済申立を愛知県労働委員会に行っています。 

 

2020年5月19日 小西生コン 春日井砕石工場で、落石死亡事故

 労災死亡事故が続く職場

 

★落石でショベルカーの運転席が潰れ、遺体確認まで4時間以上

 報道によれば5月19日午前11時50分ごろ、愛知県春日井市外之原町前田の「小西生コン春日井砕石工場」で落石があり、作業中のショベルカーが下敷きになり、この事故で70代の男性作業員が運転席で挟まれ、死亡しました。哀悼の意を表します。事故当時、作業の音が聞こえなくなったのを不審に思った男性工場長(50)が様子を見に行って事故に気付いた、作業員は同日午前7時半ごろから1人で山肌を削る作業をしていたとのこと。午後4時過ぎまで救助活動が行われ、youtube や twitter には現場の画像が次々アップされていました。

https://matomedane.jp/coron/page/53726/t_image/923588/3
https://www.youtube.com/watch?v=olf0Hctq6X0

 

★労災死亡事故が相次ぐ職場

 この小西生コン株式会社では、2016年10月21日にも春日井工場で、かくはん用ミキサーを洗浄していた労働者(57)が、突然動きだしたミキサーに巻き込まれ、頸椎(けいつい)損傷で死亡するという労災事故が発生しています。翌年2月20日にはこの事件は、「コンクリートミキサーの清掃作業にあたり、機械の運転禁止措置を行っていなかったもの」(労働安全衛生法第20条 労働安全衛生規則第107条)として書類送検がなされています(厚生労働省違反企業公表)。
 会社によれば、それ以前にも砕石機のベルトコンベアに巻き込まれた2名が、愛知医大と小牧市民病院にドクターヘリで搬送されているといいます。

 

★安全を軽視する企業と行政

 小西生コンでは、重機の資格のない労働者に重機作業をさせる、車両系建設機械の作業計画を立てていない、足場に手すりがなく、安全帯も足りていない等の労働安全衛生法違反がこれまでにもあり、労働基準監督署に労働者が度々申告をしてきました。
 しかし、会社は、団体交渉で、「安全対策は取ったが、中身は忘れた」等と安全を軽視する発言をし、労働基準監督署に申告した労働者に対しては、「あなたはうちの社員だと思ってるの、組合の社員だと思ってるの?」と暴言を吐いたこともありました。

 小西生コンの工場間の土砂の運送は、営業許可を持たない業者のダンプが過積載でこれを行っています。運輸局や警察に繰り返し通報しても、未だ行政は実効性のある措置をとっていません。このような企業と行政の在り方が、今回の惨事を招いたと思わざるを得ません。
                           2020年5月20日 愛知連帯ユニオン